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インタビュー詳細

付加価値を付けた新技術を開発

中井商工 遊間止水材の性能をさらに高める

中井商工株式会社
(技術担当)執行役員
丸田 光政 氏

側方型桁端シール充填工法の完成度を高める

 適用遊間幅を拡大、勾配付けや素材の軽量化も図る

 ――現在新規開発もしくは改良している技術はどんなものがありますか

 丸田 まず、側方型桁端シール充填工法があります。50~150mmの遊間仕様は完成しています。これを現在200mm前後までの遊間に適用できないか検討しています。これができれば各高速道路会社などで施工受注が広がる見込みです。近々の完成を見込んでいます。この次には側方型桁端シール充填工法において、勾配をつけるタイプの開発を進めます。


側方型桁端シール充填工法


 ――具体的にはどのようなものですか

 丸田 現在は液状のシールを流し込むだけですが、シールの上面は水平状態になっています。これを2~3%の片勾配でシール充填できるような開発を目指しています。風船を上下から膨らませて2~3%勾配の形を作り出して、その間にシールを流し込むような方法を採用しています。これができた段階でシールタイプの側方型桁端シール充填工法はほぼ完成となります。

 次は、シールでは重量が重たく、軽量化を求められている箇所向けに乾式止水材の応用~シールを乾式止水材のような止水層をもったスポンジを縮めて、側方から挿入していく方法~で側方から止水工ができるかどうか、もしくは乾式と一部シール材を用いたハイブリッド型の開発をテーマにしています。これを行うことでシール材のみの充填工法に比べて重量を5~10分の1に軽量化できます。また片勾配も自由自在に付けられます。

 ――いつごろを開発のめどにしていますか

 丸田 年内に見込みをつけたいと考えています。

 ――他の開発案件は

 丸田 昨年から伸縮装置周辺から騒音対策の案件が増加しており、従来は特性の違う吸音シートと防音シートを組み合わせた複合シートを伸縮装置直下へ取り付けていました。この時は-5db程度の低減でした。しかしこれに満足せず、もっと効果のある材料を探していたところ、昨年、単体で吸音効果が高い材料を探し出して伸縮遊間下面へ取り付け、直下で-20dbの低減効果を確認しました。


新しい吸音材「Q音材」


Q音材の施工前および施工完了状況



Q音材設置の流れ



摩擦素子コート工法もより接着性を高める

 渦励振・レインバイブレーション対策の新工法も開発

 ――付加価値を高めるための製品改良案件は

 丸田 摩擦素子コート工法(鋼製ジョイント表面のすべり止め対策工法)があります。接着剤とプライマーに改良を加えて、より柔軟で接着性の高いものを開発しています。理由としては、品質向上を目指し、フィンガージョイントの温度収縮への追従性や、走行車のタイヤとの衝撃耐久性などの向上を図るため、NEXCO総研などで新しい材料の動輪実験を行っています。

 ――斜張橋ケーブルの新しい渦励振・レインバイブレーション対策工法は

 丸田 ワイヤーをケーブルに螺旋状に巻くことで渦励振やレインバイブレーションの発生を防ぐという工法がありますが、現場で斜張橋ケーブルにワイヤーを巻くのは実際にやってみると結構な手間がかかります。それを改良する工法について鋼橋ファブと共同で開発を進めています。


斜張橋ケーブル付加制振対策例

 これは、螺旋の固まりを作って現場のケーブルにはめこんでいったり、シート上に螺旋の突起を付けてそのシートにSUSバンドをつけて張りこむだけといった手法の検討をしています。


ケーブルに取り付けるチェーンコイル

 レインバイブレーション対策としては、ケーブルハットを段階的に付けて、より水が切れ易く、空気抵抗の少ない形を作って、商品化したいと考えています。

 また、同じテーマですが、ポリエチレンにくっつくシリコン材を見つけてきました。この性質を利用し、現場にガンで螺旋状に吹き付けることができないか検討しています。世界や国内にはレインバイブレーションで発散振動を起こしやすいケーブルが多くあると聞いており、そこをターゲットにしたいと考えています。

 ――ありがとうございました