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インタビュー詳細

急速に進む橋梁の高齢化 「攻めの管理」が必要

川崎市 殿町羽田空港線などを整備

川崎市
建設緑政局長
藤倉 茂起 氏

 川崎市は現在も149万人と政令指定都市で7番目、県庁所在地でない基礎自治体としては最大の人口を誇る。多摩川と鶴見川にはさまれた南北に細長い市域で、人口密度も2015年度に1万人を超えた。なお成長中の都市であり、道路の整備は必須だが都市計画道路整備率は68%と政令市の中でも下位に留まっており、今後殿町羽田空港線などの整備が期待されている。一方で橋梁の供用年数は50年以上が既に全体の3分の2を超えており、対策は待ったなしの状況だ。そうした道路の新設・保全上の課題について同市建設緑政局長の藤倉茂起氏にインタビューした。(井手迫瑞樹)


南北で性格が異なる都市

 拠点形成が進む殿町国際戦略拠点キングスカイフロント

 ――日本有数の工業都市であり、140万人を超える県庁所在地ではない政令指定都市では日本最大の人口を誇る川崎市をより発展させていくために必要な、道路行政上の課題について教えてください。また、それを踏まえて道路網の現状(各地の道路建設の要請と必要性を具体的に)を教えてください

 藤倉局長 川崎市は、多摩川と鶴見川に挟まれている縦は最長で33.13km、横は最短で1.22kmという南北に細長い市域という特徴を有しています。市の面積はおよそ144㎢です。北の麻生区には東西北の3面を東京都町田市、南を横浜市青葉区に囲まれている岡上地区という飛び地も有しています。人口は現在約149万1千人を有していますが、これは政令指定都市では7番目で、人口密度は2番目となっています。人口は2030年度の152万人がピークになると予測されています。

 一方で都市計画道路の整備率は68%程度と政令指定都市の中でも低い水準に留まっています。

 ――川崎市は北の新百合ヶ丘や中部の武蔵小杉などの住宅街、JRや京急、国道など交通の結節点であり中心街でもある川崎駅周辺地区、そして南の臨海部区域など、大きく分けて3つの顔を持たれていますね

 藤倉 仰る通り、南北では性格が異なります。南の臨海部は京浜工業地帯の一部として、石油化学工業を中心に第二次産業で栄えてきました。現在はそれに加えて、物流系の立地が増えています。特に川崎区の殿町は、多摩川を挟んで羽田空港が目の前にあり、国際戦略拠点として特区指定されている「キングスカイフロント」において拠点形成が進んでいます。同地区ではライフサイエンス・環境分野の企業等の立地が進んでおり、また、大規模な物流施設であるヨドバシカメラアッセンブリーセンターの増設も進んでいます。

 キングスカイフロントと羽田空港を直結させるべく、多摩川を渡河する都市計画道路殿町羽田空港線を整備する予定です。同路線の多くは橋梁構造であり、1月25日に工事公告を行ったところです。

 また、京浜運河を渡河する東扇島水江町線は、国直轄の臨港道路として整備中です。ほぼ橋梁構造であり、斜張橋形式を取り入れています。運河を跨ぐため桁下クリアランスの高い橋梁となる予定です。現在は下部工を施工中です。

 国道357号の多摩川トンネルも国の直轄事業として進められており、現在トンネル工事に向けた事前調査などが行われています。

 その他、南部では、横浜市との境である鶴見川に架かる末吉橋(川崎市幸区小倉5丁目~横浜市鶴見区上末吉5丁目)の架替え事業に着手しました。中部では、多摩川渡河部の(仮称)等々力大橋(中原区宮内1丁目~世田谷区玉堤2丁目)の新設事業を東京都との間で進めており、建設のため準備工を施工中です。また、北部では、登戸陸橋(多摩区登戸新町~登戸、JR南武線を跨ぐ跨線橋)の施工を進めています。

 また、多摩川対岸の外環道については東名高速から湾岸道路までの区間の計画が具体化されていない状況です。1年前に関係各機関による協議会が設立されましたが、その中で計画の具体化に向けた検討の進め方などについて議論が進められています。


リニア中央新幹線事業では5箇所の非常口が建設予定

 京浜急行大師線の連続立体化も進む

 ――鉄道関係については

 藤倉 東海旅客鉄道株式会社のリニア中央新幹線が、川崎市の一部を通過する計画です。路線としては、中原区から高津区、宮前区、麻生区を経て東京都町田市方面に通過していくもので、大深度地下トンネルで建設される計画です。川崎市内には5箇所の非常口が建設される計画されています。

 一方で、京浜急行大師線の小島新田駅~東門前駅までの地下方式による連続立体交差事業も進めています。また、JR南武線の尻手駅~武蔵小杉駅間の連続立体交差事業についても計画調査段階に入っています。


京浜急行大師線の連立事業