道路構造物ジャーナルNET

境橋では床版取替、湯山橋、山ノ釣橋では上面増厚

大分河川国道事務所 三光本耶馬渓道路、高江拡幅、中九州横断道路などを推進

国土交通省
九州地方整備局
大分河川国道事務所長

久田 成昭

公開日:2016.02.16

 大分河川国道では中津日田道路の一部を構成する国道212号三光本耶馬渓道路、2車線道路では九州随一の交通量を誇る国道10号高江拡幅、防災事業の国道210号天瀬改良等の事業や中九州横断道路(竹田~阿蘇)の計画段階評価を進めるための調査を行っている。一方で、橋梁を中心に老朽化が進んでおり、補修補強、もしくは床版の取替など一部更新も進めている。その内容について久田成昭所長に聞いた。

直轄2路線、201.5㌔を所管
 中九州横断道路は竹田~阿蘇間の調査に着手

 ――管内の地勢的特徴から
  久田所長 大分県は、地形、地質とも複雑・多様なことから豊かな自然環境に恵まれています。また、くじゅう連山、祖母・傾山系、由布岳などの山々が連なり、県土の約7割を林野が占めています。これらの山系から流れ出る水流は大分川、大野川、筑後川等主要な河川を形成し、豊かな水資源をもたらしています。さらには、温泉の湧出量・源泉数も日本一となっており、北の周防灘、東の伊予灘、豊後水道のもたらす豊かな水産資源も相まって、大分県は「豊の国」とも呼ばれています。一方で急峻な地形に道路を造っているために、県内の道路トンネルの箇所数は574箇所と全国一を誇ります。また沈み橋の数も全国一となっています。
 ――道路網の現状は
 久田 大分県内の高速道路ネットワークについては、昨年3月、東九州道が県内全線開通したことにより大きく進展しましたが、東九州道の効果をさらに上げるためにこれで終わりではなく、今後は三光本耶馬渓道路や中九州横断道路といった、地域高規格道路をはじめとする高速道路と地域の選択と集中の考えのもと限られた予算の中で、社会資本のストック効果が最大限に発揮されるよう着実に整備を進めていきます。
 地域高規格道路では、九州横断自動車道・長崎大分線と東九州道をつなぐ役割が期待されている中津日田道路(中津IC~本耶馬渓IC間、約50㌔)の一部である三光本耶馬渓道路(12.8㌔)を直轄権限代行でとして整備をしているほか、中九州横断道路の竹田~阿蘇間の計画段階評価を進めるための調査にも今年度から着手しました。そのほか、改築事業として、国道10号の大分市街地内の4車線化を推進する高江拡幅事業(延長約2.8㌔)をまた、国道210号で防災対策事業として、天瀬(あまがせ)改良(同1㌔)を進めています。
 また、管理面では九州を縦断する国道10号のうち104.1㌔、大分~久留米に至る国道210号のうち97.4㌔の2車線、延長210.5㌔の維持管理を行っていますが、特に橋梁やトンネルなどについては長寿命化を進めています。その他については、法面や構造物の防災・震災対策、路面の維持補修、交差点改良や歩道整備など、交通量が多い幹線道路を安心かつ安全に利用してもらうための取り組みを着実に進めていきます。

三光本耶馬渓道路 事業進捗率は11%
 1000㍍超の長大トンネル2箇所を設計中

 ――さて、改築関係を三光本耶馬渓道路から
 久田 東九州道の中津IC~24年度に開通した本耶馬渓耶馬渓道路の本耶馬渓IC間に建設される12.8㌔の自動車専用道路であり、先にお話ししましたとおり、直轄権限代行として整備を進めています。19年度に着手し、現在は本体工事のほか、用地買収や道路詳細設計を進めています。26年度末の事業進捗率は約11%、用地進捗率は約50%となっています。
 ――構造物比率は
 久田 山間部を通過するため、約53%と高くなっています。内訳はほとんどがトンネル構造で、49%を占めます。橋梁は4%です。
 既に三光第2号トンネル(176㍍)が完成、今年度は三光第1号トンネル(607㍍)に着手しました。また、下屋形トンネル(1,339㍍)、跡田トンネル(2,342㍍、区間最長)、跡田川橋(58㍍)、下屋形橋(206㍍)が設計中で、設計済み未着手としては三光第3号トンネル(1,834㍍)が控えています。トンネルは2㌔内外の長大トンネル2本があるのが特徴です。三光第2号トンネルの施工箇所は岩質が安定しており湧水も全く出ませんでした。同第1号トンネルは坑口付近に水が出ている状況にあり、その対応が必要となっています。跡田トンネル、下屋形トンネルは現在設計中ですので、そうしたことがあるかないかも確認しながら慎重に設計していく必要があります。三光第3号トンネルは、湧水や岩質上の問題はないという結果が出ています。工法は全てNATMを予定しています。 
 橋梁は、中津三光IC~青の洞門・羅漢寺IC間で7橋、青の洞門・羅漢寺IC~本耶馬渓IC間で6橋を予定しています。

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